西部謙司の「世界のツマ先」

何人かの中国人記者に聞いてみた。「我々の世代(30〜40代)は、日本に対して複雑な気持ちがあります。日本の侵略については教科書で教わっていますから反日感情がないと言えば嘘になる。反面、日本やアメリカからは経済的な支援も受けていて、仰ぎ見るような思いもある。要は、これからよい関係を築いていけばいい」。もう少し若い女性記者は、「重慶は日本軍に爆撃されているので反日感情が強かったのでしょう。中国も地方によってかなり違うと思います。若い世代はむしろ日本の文化に憧れがあるし、特に香港に近い南のほうはそうですね」。たまたま聞いた人がよかったのか、皆冷静で率直に答えてくれた。1対1の関係で不快な思いをすることはほとんどなかった。

こういう対話は額面どおり受け取らない方がいい。相手が日本人とわかって自分の本音を100%話すわけがない。対日本人用の社交辞令と受け取るべきだろう。本音は決勝でもあった国歌斉唱時のブーイング。あれは、一部の中国サポーターだけではなくて、大部分のサポーターだ。東海大教授の葉さんが危機感を感じていたが、まさに政府ですら制御できなくなってる。公使の車のガラスが割られたとか、選手のバスの窓にヒビがいったとか。具体的事例がバンバン出てきている。状況の中にいる人間が一番事態を理解していない典型かもしれない。英国のBBCやFTはきちんと書いてるし。中国人の本音はこちらのブログでしょう。