テレビ論8 芸人が儲かる寂しい国 番外編|松野大介論

トータルテンボスは『オンバト』で見る限りいつも漫才だが、サンドウィッチマン同様に冒頭だけが素の自分たちでほとんど全般〃役になっている〃状態で、キングコングだけが、漫才の特性である、素と役の演じ分けをしていて、しかも素と役の出入りが高度なものだったので、私はキングコングに票を投じたいと思った。

理由はわからないが、私は、ニシノ君に好感を持ってしまった。洋服屋の店員役の相方が、スタンプカードを、「一円に一個押しますね」と、無茶苦茶な動きで押しまくるが、そこまで暴れられるのはニシノ君のさわやかだが懐の広いところによるものだと思う。

松野大介M-1評。『理由はわからないが、私は、ニシノ君に好感を持ってしまった。』現在の世評と絡めてのM-1論。キンコンは素と役が入れ替わる漫才。他の2組は全編役になってる漫才、富澤言うところの漫才コントだろう。

テレビ論7 コメディアンが儲かる寂しい国|松野大介論

 それは設定がたいていは物の売る側と買う側が多いという点も含め、マニュアル的なやりとりなど、現代のコミュニケート不在を表現している。