なぜ日本が憎悪の標的になりやすいかを考えてみよう。もし「朝日」のいうように過去の侵略が原因なら、なぜ日本と並んで例えば英国やロシアが同じ標的にならないのだろうか。どちらが先に発砲し排発したか今もって定かでない「盧溝橋事件」に比べると、アヘン戦争の方は、かのグラッドストーン卿をして「いまだかつてこれほど不道徳な理由で戦争が行われた例があっただろうか」と嘆かしめたほど非道なものであった。国民党時代の台湾の大学で理系学生にまで必修となっていた「俄帝侵華史(ロシア帝国中国侵略史)」では、シベリア・中央アジアの広大な「領土」がロシアに強奪されたとなっているのだ。なぜサッカー場で中国の人々は口々に、「日本だけは許せない」と叫ぶのか?「朝日社説」ではここが説明つかない。
問題の鍵は中華思想に基づく華夷秩序意識が、中国人にとって「中国教」ともいうべき一つの疑似宗教を形成していることにある。「異教徒より異端者が憎い」というが、異教徒である英国やロシアは良くても悪くとも所詮「異国」の話だ。しかし、
華夷秩序の下位に位置すべき属国の分際で御本尊に先がけて近代化し、あまつさえこれに弓を引く異端者日本だけは、絶対に許せない。「中国人の因果な性分」とはこのことを指しているのだ。【金美齢】
やたらと“小日本”と叫んでいたのはこのことをさしているのか。何百年も子分だった国に攻め込まれて、第二次大戦に負けたのに、先進国になった屈折した感情もあると。まあ、江沢民政権時代の愛国主義と反日教育も重なってのことだろう。