リリアン・テュラム、バンリューからの代弁者


「学校では黒人の生徒にだけ変なあだ名が付けられていた。自分の場合は、テレビアニメのキャラクターだった黒い牛の名前で呼ばれることになった。それが人種差別にあたるのかどうかわからないし、子供にとっては悪ふざけの一種みたいなものだろう。だけど、その事実は僕を深く傷つけた。そのあだ名で呼ばれる度、僕の目には涙が溢れてきた」

サッカーこそが偏見をなくす最良の方法


「郊外の移民というが、2世はすでにフランス人であるはずだが、その多くが高等教育を受けた後も仕事に就くことができないという現実は確かに存在する。まずは、フランス全体がその事実を知ることから始めなくてはならない。無知と、そこからくる恐怖感こそがレイシズムを進める。だからこそ、自分と異なる人たちのことを知ることが重要になってくる」
(中略)
「バンリューでサッカーチームに入る。そこでは、間違いなくいろんな人種と一緒にプレーすることになる。そうすることで、お互いのことが少しずつ分かるようになってくるし、サッカーをきっかけにして、ほかにもいろんな話をして、時には双方の家を訪ねたりもしながら、理解は深まっていくはずさ。バンリューにおいてはサッカーこそがいろんな人種について学ぶことができて、偏見をなくす最良の方法なんだ」