レポート『個人情報保護に関する考察』by 相馬 卓朗

 例えば、会員制のビデオレンタル店のフランチャイズ・チェーン(FC)を全国展開している企業は、収集した個人情報は・ブラインド・レンタル・という形で二次利用している。延べ100万人分の個人情報が詰まっているというデータベースには、日夜、ビデオレンタル履歴など最新の情報などが積み重ねられ、そこから割り出せる会員の趣味や嗜好データを活用し、関連会社を通して、契約企業の商品やサービス情報を送るDM代行業を展開しているのである。
 顧客名簿そのものは流さず、あくまでも自社の管理下で他社のDM利用に提供するという、このようなやり方を、専門用語で・ブラインド・レンタル・という。(「月刊ヴューズ1997年7月号」(講談社)24、25頁参照)
 さらに、収集した情報は人事採用などにも用いられうる。「企業は「就職希望者を選別するために、あらゆる種類のデータ・ベースを跋渉する」(ジェフリー・ロスフェダー(大貫昇訳)『狙われる個人情報』(ジャパンタイムス、1993年)269頁)。そして、労災補償を受けたことや、犯罪歴があることなどにより雇用を拒否されることもありうるのである(ジェフリー・ロスフェダー(大貫昇訳)『狙われる個人情報』(ジャパンタイムス、1993年)264、271頁参照)。