『人生失格』計画と、チューリップ事件について|松野大介論

 その前後で、本が売れなくなってからいろんな出版社の編集者が電話に出なくなったという話をし、幻冬舎も出なくなったと言った。その場合、たいていは「○○はただいま外出しております」と、何度かけても言われると私は説明した(つまり、「松野はもう切れ」と編集部で決めて、電話をいっさい取り次がないわけだ。本を出した出版社でも半年後にはそういう対応に変わるわけです)。

付き合いのあった作家を出版社がどうやって切るのか。幻冬舎の見城がどのように有名作家と付き合ったかを何回か聞いたことがあったが売れなくなった作家を切るのかはきいたことがなかったのでこの話は貴重。でも、こんな居留守みたいなことしないで、「もう松野さんとは仕事できません、本は出せません」とはっきり電話で言ったり、手紙にして書くべきなんじゃないか。作家の方もまだチャンスはあるのではないかと思ってしまう、この対応だと。実際まだ未練はあるみたいだし。