デル社虚偽採用疑惑のウラ 面接は社員、名刺も使えた


Mさんは東京労働局、神奈川労働局などに就労条件の明示義務違反で違法な雇用だと訴えた。両局は両社に指導を行い、D社は雇入通知書を送ってきた。残業代も支払われるようになったが、Mさんは一件落着とは思えなかった。労働法規が罰則を定めているのに、なぜ行政は指導にとどめるのか、納得できなかった。正社員ではなかったというショックもあった。

同ユニオンの阿久津光書記長は「量販店向け派遣労働者のトラブルも多いが、正社員を装って虚偽の雇用を続けていたケースは珍しい」と同社側の姿勢を強く批判するが、同社の認識はMさん側と大きく異なる。
 同社広報担当者は「リアルサイトは派遣会社に委託して行う業務であり、正社員として採用することはない」と話す。Mさんが正社員だと信じたのは思いこみだというわけだ。
 だが、Mさんを面接したのは同社員だ。「人材派遣会社より先に面接して、派遣会社に紹介してしまったことは事実で、当時は法律の知識がなかった」と「ミス」を強調。「派遣会社を使うのはビジネス戦略上の理由。一種のアウトソーシング(外部委託)」というが、コスト面も考慮していることは認めた。「デルは外資だから社員全体に残業代の概念がないという説明を受けたそうだが」と問うと「とんでもない。残業代がないなんて…恐ろしい」と答えた。

大きなニュースになってないのはなぜだ。めちゃくちゃな労働慣行。大メディアの広告主だからか。東京新聞だけがこのニュースを取り上げてる。