日本の運転免許は教習所産業維持のため

社会保険番号(SSN)の提示が必要なことだ。前回述べたように、SSNの取得には最低2週間かかる。すると、「10日以内に運転免許を取得せよ」と言われても、論理的に不可能なわけだ。

もっと深刻な問題もある。私がSSNを取得したときは「誰でも取れる」状態だったが、現在では条件が厳しくなっており、職に就いていないと取れない。すると、学生や専業主婦はSSNが取れないことになり、したがって運転免許も取れないことになる。これは、日米間の外交案件になっているらしい。要するに、「外国人のことなど、考慮の外」と言わざるをえない状況なのだ。

手続きで再認識した“国境の壁”

外国から来る者にとって特に厄介なのが、社会保障番号(SSN:Social Security Number)だ。これは、本来はアメリカの社会保障制度(OASDI)での年金受給番号なのだが、現在では国民背番号ともいえる役割を果たしている。
(中略)
日常生活のさまざまな手続きにおいて、ほとんどの場合にSSNを要求される。これなしでアメリカで生活するのは、不可能だ。アメリカには住民登録の仕組みがないので、SSNが事実上の国民背番号になっているのである。