星野仙一のオンラインレポート

■「方便」は問題解決から離れた愚策

  • 12月22日

 遅ればせながら岩隈の楽天行きが決まってよかったんじゃあないか。よかったというより、球団社長の「約束」があったというならあたりまえの話だということになる。合併にあたって選手の希望を聞くといっておいて、選手会長(礒部)の希望は認めて岩隈の話は聞かないというわけにはいかんだろう、やはり。スポーツの世界まで約束だとか、ルールだとかを守らんというようになったらおしまいやないか。

 パ・リーグの会長も途中からおかしな話をしとったねぇ。1年オリックスでやって、それから好きなとこ(楽天)に行かすって、そんな本人や両チームをコケにするような提案はないだろう。そうなったら岩隈は来年、どうやって試合に投げて、オリックス楽天もどんな気持ちで戦うことになるんや。どこかの新聞社の社長からの天下りの会長やけど、プロ野球のこととか人情の機微とか、いやいや、人事に関して“手形”をきるとか、「人事」ということがわかっとんのかいなと思ってはらはらしたわ。上に立つ人間が大事なところでベーシックなことよりも方便に走ったり、方便に走らせるような発言をしたらいかんと思う。

まともな意見。関西のメディア関係者は阪神に岩隈を行かせたかったよう。ラジオでもおおっぴらに言っていたから。これで宮内の思惑のほとんどが崩れた。合併効果もほとんどないないだろうし、ファンの反感を買ったし、一リーグ制もなくなった。縮小して新規参入を拒むという考えが自らがやってる規制改革委員会とは真逆の行動。オリックスは5年以内に球団を手放すだろう。ドラフト改革、球団の新規参入問題などまだまだ問題山積みの野球界。