FujiSankei Business i. ラスプーチンと呼ばれた男 佐藤優の地球を斬る/民族の血が騒ぐ(上)

 「僕の祖父はアウシュビッツで殺された。祖母はアウシュビッツに行き着く前に貨車の中で死んだ」「母は両親とクロアチア軍の襲撃を受けたときに離ればなれになって、それきり会っていない」「祖父はユダヤ教のラビ(宗教指導者)だった。ドイツ軍が侵攻してきた日がちょうど安息日(土曜日)だった。祖父は『侵略者よりも神を恐れよ』と言って、シナゴグ(ユダヤ教会堂)に集まって礼拝していた。ナチスがシナゴグにガソリンをまいて焼き払い、祖父もそこで死んだ。このことを思いだすとユダヤ民族の血が騒ぐよ」

怖ろしい話だ。