日本の甘ちゃんのチベット観


このことは何を意味するかというとこのような公のメディアでダライ・ラマと同席するということは当然中国側はチェックを入れており、事後に中国側のブラックリストに名が記されるということである。今後入国できないということもある。
 よくこの企画が通りましたねというとディレクターは驚くべきことを言った。
 「この企画は今の段階では私と会長の海老沢しか知りません」
  海老沢元NHK会長はご承知のように現在は失政の非難を浴びNHKを去っている。しかしわたしはこのことで彼を今でも骨のある人だと思っている。


公にモノを言う者にとってはインド領、中国領ともそれを「チベット」と言い通す方がリスクが伴うのである。
アラブの例を見るまでもなく国境とは力のある大国が線引きをするいかさまものなのだ。
旅はその国境をはぎ取る作業でもある。

この番組はETV2000で、今から5年前に2夜に分けて放送された。私はたまたま見ることが出来た。NHKにダライ・ラマ猊下が出演なさった。勿論猊下なる言葉は知らずそのときに藤原氏ダライ・ラマに敬称として使われていた。NHKに出てくること自体、びっくりしたが出演した人も相当の覚悟を持って出ていたとは知らず、海老沢前会長の気骨のある一面も勿論知らなかった。