日本を取り巻く無責任の体系●公教育費の負担は誰がする?-田中康夫と浅田彰

田中
今や全国の知事は、自治省総務省出身者が全体の4割近い。で、一番発言力が弱くて、集票能力にも結び付かない文部科学省の予算枠を、税源移譲と共に全国の自治体を牛耳る総務省の管轄下に移せると踏んだんだね。でも、一枚上手は財務省だった。というのも今回、公共事業も税源移譲の中に加えた。これは大変なパンドラの箱を、本来は公共事業派が大半を占める筈の集団が、自ら開けてしまったんだ。詰まり、公共事業費を縮減しても結構です、と地方6団体(全国知事会全国市長会全国町村会全国都道府県議会議長会全国市議会議長会全国町村議会議長会)は宣言したようなものなんだ。
(中略)
─それは宮内義彦が画策しているような医療の株式会社化に伴う保険会社の繁栄ではなくてね─
(中略)
浅田
「改革」っていう中身のない看板に踊らされて「いまこそ千載一遇のチャンス」なんて言ってた知事連中は、中央政府の財政負担の軽減を狙う財務省の策略にまんまとひっかかっただけ。

浅田
重慶での順々決勝から北京での決勝まで、だんだん反日行動がひどくなったわけだけど、重慶といえば日中戦争のときに日本が空爆しまくったところで、そりゃあ多少ブーイングされても仕方ない。戦争なんかすりゃ当然そうなるんだよ。その上で言えば、激しい貧富の差や、経済的な自由と政治的な一党独裁の矛盾を、反日イデオロギーでガス抜きしようとする中国のやりかたはよくない。まあ、こんど党の中央軍事委員会主席もやめて完全に引退した江沢民は、経済の自由化をどんどん進める一方、反日教育なんかでガス抜きをしてたのに対し、後継者の胡錦涛は、経済をやや引き締める一方、反日教育みたいなことは控える方向でいくみたいだから、少しずつ変わっていく可能性はあるけどね。